型枠工事

型枠工事は、現代の建築物、例えばマンションや高層ビル、病院、消防署など、あらゆる建設プロジェクトにおいて不可欠な作業です。この工事は建築物の骨組みを形成し、鉄筋コンクリートを用いて基本構造を構築します。具体的には、建物の耐力壁や柱、床板などを作り上げるために欠かせないプロセスです。型枠工事がなければ、街中に見られる巨大なビルやマンションなどの鉄筋コンクリート建築は実現しません。建築物の耐久性、安定性、機能性を確保し、地震やその他の外部要因に対する耐性を向上させるためにも、型枠工事は不可欠です。

土台も技術も強固なものに

普段目にする建物、外観や内装に多少の類似はあったとしても一つとして全く同じものはありません。その土地によって必要とされる耐震性・耐火性・耐水性や強度、使用目的など条件があるため、外観が似た建物であっても躯体は異なります。
そのため図面を実体化する際の型枠工事には正確且つ精密な技術が求められるのです。
私たちは日々型枠大工としての経験を積み技術を確かなものに、この技術が建造物の今後を支えていく!という強い思いを乗せて型枠に流し込み強固な土台を築いています。

型枠工事の工程

型枠大工の仕事とは?と質問されて回答できる方は少数ではないでしょうか。
コンクリートの建造物を建設する際、型枠を組み立てコンクリートを流し込み固め強固な躯体を作る職人が型枠大工です。
型枠工事はコンクリート製の躯体を形成するため、多くの工程が必要となります。
ミリ単位の正確さが求められる型枠大工が担う工事の工程を分かりやすくご紹介いたします。

拾い出し

拾い出しは経験と知識が必要な作業です。設計図を基に、建物の骨組みとなる柱や梁、壁などの寸法や形状、必要な材料とその数量を計算します。この作業は、予算とスケジュールに大きな影響を与えるため、正確さが求められます。工事にかかる日数を見積もり、必要な職人の数とスキルを確保します。適切なスタッフ配置は工事の円滑な進行に必要です。また、建設に使用するクレーンやエクスカベーター、コンクリートポンプなどの機械や設備の使用料も算出します。正確な予算と計画を立てるために、ベテランの職人が払い出しを行います。

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加工作業

加工図が出来上がり次第、型枠の材料であるベニヤ板や桟木の加工作業に着手します。加工図を基に作業場でそれぞれのサイズにベニヤ板を切断・加工し、現場に運びます。当社では作業場で加工を専門に行う従業員が在籍しており現場での修正が発生しないようひとつひとつ正確に作業しています。丸ノコなどを使用し加工するので型枠大工としての経験や技術も求められる作業です。

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墨出し

工事の基準となる線や印を柱・床・壁につける作業が墨出しです。その印をもとに型枠を設置するため位置や方向を特定できるよう垂直水平をミリ単位で確認し、わずかなズレも生じないよう正確且つ慎重に印をつけていきます。
馴染みの無い言葉ですが、墨壺という大工道具を使用し線や印をつけるため墨出しと呼ばれている型枠工事に重要な作業のひとつです。

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建て込み作業

正確に記された印に沿って、作業場で加工し現場に運び込まれた型枠を組み立てていきます。建て込み作業は建物全体の出来を左右する重要な作業であるため、墨の位置に合わせ柱・壁・梁などの型枠を正確に建て込んでいきます。この後流し込むコンクリートは重量があり強度が必要とされるため、型枠の建て込み具合を水平器などを使用しながら慎重に進めていきます。最後に型枠が歪むことの無いよう専門の金属で締め付け固定します。

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建物も人も土台が肝心

型枠大工が築く躯体は、建物の安全性とその中で過ごす人々の安全性を守る重要な役割を担っています。強固な躯体は、人々の生活を支える基盤となります。私たちは日々技術を磨き、建物の信頼性を向上させることに専念しています。また、同様に、自分たちの技術や知識を堅固な基盤として築き上げるために、日々誠実に建物と関わる多くの人々に向き合っています。強固な躯体と技術の基盤が結びつくことで、信頼性の高い建物と社会を実現しているのです。

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